7月
毎日暑い日が続きます。前回にもお話ししましたが、死後の遺体の温度環境は、死後の遺体の
変化に大きく起因しています
死後のご遺体は夏の一日と冬の一週間比べると冬の一週間~と同じいやそれ以上夏の方が大きく変わりやすいです
夏の故人様にはエアコンが良く効いた部屋で冬布団(ドライアイスが利く環境)で、エアコンがなければ、早めに柩の中にドライアイスをいれておやすみ頂くのが一番いいです
私たちの身体は蛋白質と水分が大半、お肉やお魚と同じです。死後は涼しい環境できれば
告別式まで、綺麗な状態でいて頂く為私たちにできる事です
是非、覚えておいてくださいね
R7.6月
熱帯夜が2日続いていますいよいよ夏到来です
夏になると、当然気温が高くなります。お肉や魚を買ってきて
夏の室温でそのまま放置しておくとどうなりますか?と質問したら
皆様、高温の方がより腐りやすいと答えられます。正解です!
よくある急死の中で、お風呂でお亡くなりになるとします
冬は気温が低くお湯は冷めるのも早く室温と同じ温度になります
気温が低ければ、低くなり、気温が高ければ高いままの温度になります
当然、気温が高い方が腐る速度も早まります
また、人は内臓から傷み始め開口した口や鼻から腐敗臭を嗅ぎ付け虫が卵を生みに
よってきます。生ゴミに虫がたかるのと同じです
お亡くなりになると、顔の周りに小さい虫がいっぱい死んでいることが
あります。鼻、口内に卵を産み付けその後、顔回りで息絶えた虫さんたち
です。
昔は脱脂綿でパンパンに膨らんだ故人様が多かったのですが
最近見た目重視で少し又は脱脂綿なしの方もよく見られます
夏場、故人様の顔の周りに小虫が沢山死んでいたら…
その可能性が大です。
復顔修復師のつぶやきでした(^.^)
湯灌
湯灌は故人様を裸でバスタブにネットを張りそこにバスタオル一枚をかけて身体を洗うことをします。中にはやせ細った身体をご遺族が見学することもあります
私なら「やせ細った身体は見てほしくないです」
人の体は水分とたんぱく質で大方できており、お肉や魚と同じと考えて下さい
新鮮な状態を保つ為、すぐに冷蔵庫にいれますよね
魚を内蔵を取って保存冷却するのは、内臓が一番腐りやすいからです。内臓のついたままの魚をいったん冷やし、お湯で洗い、また冷蔵庫に入れたらその魚は
どうなるでしょうか?腐敗が早く色が変わり腐敗臭がしてきます
人間の体から内臓を取ることはできません。その体をお湯につけ、洗いまた冷やすのです
と言ったらやっと「えーそうなん。そらあかんやろ…」って理解されることがよくあります
亡くなると色が変わってくるのは、腐敗が始まっているということです。
死後一日で死後硬直は解けてきます。それと同時に
顔の皮膚乾燥も酷くなり、引っ張られて目や口が開いてこられるのです
また病院で髭を剃ったはずなのに出てくるのは、髭が伸びるのではなく、皮膚が乾燥し、中に隠れていた髭が出てくるので髭が伸びてくるのではありません。また
腐敗を止めることは不可能ですが、遅らせることは可能です。それが冷却する事です
だから、食品は冷蔵庫に入れますよね。冷蔵庫の温度設定は腐敗を遅らせる温度設定になっています。
最期まで、綺麗なお顔を見て頂く為には、湯灌ではなく、何百年前からのしきたり
昔からの手とおみ足を逆さ湯と言われるぬるま湯で清める古式湯灌と言われるのが最適です。
お湯灌を全面否定しているのではなく、知った上でされることをして頂きたいのです
納棺師として一番気を付けていること
沢山の故人様には、その家族家族のお見送りがあります
涙涙のお別れや、冗談が入り混じるお別れと人さまざま、その方らしいお別れの
シーンを大切に出来るだけの事をして差し上げたい。故人様の死を受け入れることは大変困難です。
しかし、それを受け入れる為にも通夜の日は故人様に心の中のすべてを吐き出しきいてもらい受け入れがたい「死」を受け入れ、葬儀の日旅立つ日には、納得してお別れをしていただきたい。
穏やかな故人様をみてご遺族様も穏やかな気持ちになってお話し出来るよう
今出来る事を毎回精神誠意を込め向か合わせて頂いております。
納棺式とは…故人様の手とおみ足を逆さ湯で清め
宗派により旅支度をご家族の皆様で装着し、棺の中に皆様で入れて差し上げ、ドライアイスと綿でお顔回りを整え、ずた袋の中に故人様の生前好きだった食べ物、紙パック入りの飲み物を入れます
そして、好んで着ていた洋服や着物愛用の品、趣味嗜好品を入れる方もおられます
※原則金属製のものや燃えないものは原則入れられません
火葬場には、金属はもとより、分厚い雑誌やゴム製の靴や入れてほしくないものを厳しく言われるところもあればゆるい所もあり、市町村の火葬設備によるので様々です
お別れのシーンはその家族らしく全く同じシーンはありません。ずーと涙でお別れ、故人様のエピソードで笑いながらなど、その方らしいお別れを心がけています
嗜好品は最期にたばこを唇に含ませたり、酒や焼酎やビールなど最後に飲みたかったであろう飲み物を、死に水の代わりに綿に含ませ唇にそっとつけて差し上げることもあります。
棺の中に入れる物ではコーヒ―ー好きの方は焙煎仕立てのコービー豆であったり、お寿司だったり、刺身やマツタケ(スダチ入り)山賊焼きやバナナや生菓子、どら焼き、季節果物スイカなどなど…様々です
あなたなら何を入れてほしいですか?今から考えて、親族に伝えておきましょう
死装束は宗派により仏衣、又は経帷子と言われており白の着物です
昔は、自分の身丈で白の生地で作っておられる方もいます。基本着物は左前と言って生きているときは左が上になるのですが、亡くなると右が上になります
また、着物と違い亡くなると硬直具合で腕の自由度が利かない方もおられるので、袖口は全部開いたままになっています。
白の経帷子にお経を書く宗派やお寺さんもおられ地区により多少の違いがあるものの
旅支度と言われる脚絆、手甲、足袋、天冠を付けてあの世に旅立つ一式もつける宗派やつけない宗派もあります
洋服の方は硬直度合からしてニットやある程度伸びる素材のものが着せやすいです
また、足はむくみが取れる方もおられますが、死因によりパンパンに浮腫まれる方も
おられますので、普通の足袋では履けない方もおられ、旅支度用の足袋は基本大き目で
紐で調節出来るようになっています。
今まででは、ウエディングドレスの色物ドレスや白の野球ユニホーム(新品)浴衣、着物、羽織袴、神式用、仏式用(お坊様着物)韓国の方はチマチョゴリなど多種多様な物の着付けも行っています。